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「ただ読みダイアリー(24)」  

このところ読んだ本をまとめてご紹介・・・


小川隆夫+平野啓一郎「Talkin’」

Talkin’

これはジャズ好きな医師(半分ジャズ評論家)と作家の対談。よってジャズに興味のない方には無縁な本です。おふたりともジャズについてはなかなか博識で、興味深い話がたくさん出てきました。とりわけ楽器の音の大きさについての話は面白かったです。それにしてもつくづく思うことは、このお二人を含めて、 Miles Davisが好きな人は多いんだなあということ。まあ、ジャズを聴くのにMilesを避けて通ることはできないし、ジャズが好きな人で Milesを悪く言う人はたぶんいないでしょう。今やElectric Milesはだめだなんてアナクロなことを言う人もいないでしょうしね。それにしてもちょっと過大評価ではないの? と言いたくなるほど、全肯定な人が多いのには驚きます。私はさすがのMilesも、81年の復活以降はあまり評価しないのですが。それは何といってもそれ以前があまりに凄過ぎたからなんですけどね。

と言いつつ、この秋は携プレ20ギガ全部をMilesで埋めてみようと、ただいま改造中の私です・・・。

高山文彦「麻原彰晃の誕生」

麻原彰晃の誕生

これは松本智津夫という人間が、オウム真理教の教祖麻原彰晃という怪物になって行く過程を描いたドキュメンタリーです。この中で筆者は次のように書いています。

「私たちは知恵と勇気と想像力を失いかけている。それを考えると麻原彰晃とはやはり私たち自身の投影であったのだと思われる。」そしてその墜落と頽廃に、真に対抗していけるのは、「自立した個人、人間ひとりひとりのたゆまぬ想像力、考えつづける力なのだ」と。

私は今の子供たちを見ていて、彼らが大人になったとき、麻原彰晃は再び降臨するのではないかとの危惧を強く感じます。「自立した個人」の「たゆまぬ想像力」、「考えつづける力」を育てる教育が、今、なされているのか、とても心配でなりません。「未来を作る」ということは、「子供を強く育てる」ことだと私は思うのです。そう思いながら見ていると、この国の未来は決して明るくないと思ってしまいます。ゴマメの歯軋り程度でしかありませんが、少しでもそんな風潮に抗っていきたいと思っているのですが、このところ、そんなテンションも少し下がりがちな私です・・・。

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