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ただ読みダイアリー(19)  

久々の投稿です。このところ何かと忙しく、ご無沙汰して申し訳ありません。
この間に読んだ3冊の本の紹介から・・・


馳星周 「トーキョーバビロン」

トーキョーバビロン

完読状態維持のためにも、なんとしても新刊は読まねばなりません。しかし・・・このところ氏の作品には冴えが感じられません。思い返せば「生誕祭」あたりからでしょうか。

それぞれの登場人物の実存を際立たせる、身をじりじりと炙るような焦燥感と危機感。それらが絡み合い、鼓舞し合って高まっていく緊張感。そして飽和点に達したときの、凄惨でやるせないカタストロフの絶望感。読後にへばりついてはなれないどうしようもない「やりきれなさ」。すべてが相俟ってもたらされるカタルシスが、私にとって、氏の作品の魅力でした。ところがどうもこのところ、常識的な感じでいまいち物足りないものを感じてしまうのです・・・。それは私だけでしょうか・・・。

登場人物は例によって「ろくでなし」ばかり。それにしても金のことしか頭にない「ろくでなし」は私にはだめです。全く感情移入ができません。唯一、消費者金融会社の課長が面白いだけでした。しかもそんなだめな「ろくでなし」が、後先考えずに一心不乱に金を追いかけ、そのために化かし合う姿は、「軽薄故に醜悪」という他ありません。氏の初期の作品の「悪」のイメージとはずいぶん違うように思います。このところは「悪」より「金」、「呪詛」より「欲望」という感じです。

物足りなさを感じるのは私だけかと、あちこちの書評を覗いてみましたが、まま好意的に受けとめられているようです。例えば伊坂幸太郎氏は「Web本の雑誌」バーチャル書店の中で、「やっぱり面白いなぁ」と紹介されています。そうかなあ…。まあそんな世評は、氏が作家としてのステイタスを確立した証左なのでしょう。それはそれでよし、なのでしょうか…。私は今後も「雪月夜」のような「どうしようもなくやりきれない」作品を期待したいのですが・・・。


本多孝好 「真夜中の5分前 Side-A」「真夜中の5分前 Side-B」

真夜中の5分前 Side-A 真夜中の5分前 Side-B


本多氏もなんとなく気になる作家です。静かな文体でさらりとライトなミステリを語る「語り上手」、そんな印象です。個人的にはそれほど好きなわけではないのですが、それでもやはり完読状態維持のために新刊が出れば遅れずに読まねば…というわけで、なんとなく読んできました。今回の連作では、「Side- A」を読んだときには「あれ?佐藤正午?」と思ってしまいましたが、「Side-B」に入ってからは紛れもなく本多孝好の世界でした。よく言えば物語がさらさらとスムーズに流れる、悪く言えば引っ掛かりがなく凡庸。今回も私にとっては「これだ!!」といえるほどの衝撃はなかったです。これもあちこちの書評を覗くと、どうやら女性にはおおむね好まれる作家のようですので、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。

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