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ただ読みダイアリー(81)

桐野夏生 「メタボラ」読了。


メタボラ


実はこれも、単行本が出たときにすぐに図書館に予約を入れていて、忘れた頃に知らせが来たのに、今度は取りに行くのを忘れてしまい、逃した経緯があるのです。先日図書館に行った際、書架にあるのを見つけ、読んでみることにしました。

私には「玉蘭」以来の桐野作品。結論から申し上げると、これはかなり良いです。

ある日を境に格差社会の底辺に向けて凋落を始めた若者二人。底を打ってメタボラ(新陳代謝)を開始するかに見えるギンジ。持ち前の脳天気さで坂道をひた走るように転がり落ちるジェイク。二人ともどこにでもいそうな、大した落ち度のない若者なのに、この社会のシステムにがっちりと捕らえられ、抜け出そうと足掻けば足掻くほど、システムに深く絡め取られていきます。根源的な脱出を計るには、もはや無差別的で爆発的な暴力によって彼岸にたどり着くしかない(秋葉原事件!)ほどの閉塞感。二人はそんな状況の中をたゆたい、システムの最深部へと誘われていきます。今の我が国の底辺の闇が如何に深く暗いものかを見せつけられるようです。

この時代の息苦しさは、未来への希望であるはずの若者の生きにくさに象徴されいるのが如何にも深刻です。そんな時代の空気を、重苦しくなり過ぎずに、しかしリアルに描いてしまうところ、人の心の闇、社会の暗部をえぐり取るように描く筆力は相変わらず凄いです。

ネタバレを避けるため、触れませんが、我が国が内包するこれだけ多様な問題を、我が国の辺境の沖縄を舞台に、しかもその辺境が抱える問題まで取り込んで、破綻なくまとめ上げた力作といってよいでしょう。強力にお薦め。

先日、こんな社会の礎を築いたコイズミ某は、いささかの責任も問われずに舞台を降り、続いて登場した主役たちは幕引きを演じきれずに二人続けて途中放棄。、果たして三人目はいつまで続くのかという感じです。

この国に「メタボラ」はあるのでしょうか・・・。有権者としては「早く投票させろ!」というしかないですね。投票によって何がどこまで変わるかはさておき・・・。

| ただ読みダイアリー | 11:42 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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