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ただ読みダイアリー(78)

海堂尊 「ナイチンゲールの沈黙」読了。


ナイチンゲールの沈黙

前作「チームバチスタの栄光」は、「このミス」大賞受賞後、ベストセラーとなり、映画化までされたので、今や多くの方がご存知でしょうし、そのシリーズ第二作となる本作も、すでに多くの期待とともに読まれただろうと思います。

私は図書館経由の「ただ読み」だけあって、世間が忘れたころにこっそり読んで、生来のトロツキスト的気質を発揮しては、流行りとは無縁なところでぶつぶつ批判するのが常なので、こういう売れ筋には勢い批判的になりがちです。

「チームバチスタ・・・」は、軸となるミステリの部分にどうも腑に落ちないところがあり、こんな奴が犯人ならどこででも殺人は起こりうるので、その犯人像に、せっかく密室の、高度な医療現場であるバチスタ手術を舞台とした意味が減殺されるのではないかとの疑問を感じたりしました。

ただ、現役の医師が書いただけあって、今の医療現場の雰囲気や、大学病院の体制、医師や看護師相互の人間関係、手術の風景などが臨場感に満ちて描かれ、それがベースとなる緊張感を作りつつ、その上に田口・白鳥コンビの凸凹な掛け合いが、緊張の緩和としての持ち味を存分に発揮するという構図になっていて、全体としてはよくできているなあと思わせるものがありました。

しかし、本作は、軸となるミステリの部分が、動機の面でも実行行為の面でも、前作以上に貧弱で、結末は読みながらの予想の範囲を一歩も超えず、物足りないといわざるを得ませんでした。確かに登場人物のキャラは豊富で、それだけエンターテインメントの要素は強化されているのですが、欲張ってあれもこれも詰め混みすぎて、消化不良になった感は否めません。本編内での伏線や布石が乏しいわりに、次作への伏線を思わせる記述があちこちに見られるのも、あざとさが鼻について快いものではありません。

現役医師作家であれば、今や医療の問題は世間の衆目を集めるものであるだけに、その根深い問題を告発するような社会派ミステリを期待したいところです。白鳥や加納といった、「スーパーな」といえども、所詮は厚労省の官僚や警察キャリアどもよりも、田口医師のようなキャラに、官僚をぎゃふんといわせるような冴えた活躍を期待するのは私だけでしょうか。

シリーズ第三作の「シェネラル・ルージュの凱旋」も本日予約を入れておきます。期待に応えてくれる作品かどうかが判明するのは、その期待が忘れられたころになるでしょう・・・。

| ただ読みダイアリー | 01:18 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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