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ただ読みダイアリー(74)

佐藤亜紀 「ミノタウロス」読了。


ミノタウロス


ふ~、しんどかった・・・というのが正直な感想。

例によって、図書館から回ってきたときにはどこで何を見て予約を入れたかすっかり忘れてしまいましたが、この作家とはこれが初対面。

まずは冷めて乾いた氏の文体が初体験だったのと、成り上がり地主の馬鹿息子の愚行を淡々と描く前半の、動きのない展開にややうんざり。このところ早起きを余儀なくされて寝不足が溜まっていて、電車の中が眠くて仕方ないのも重なって、途中で投げ出したくなってしまいました。

しかし、そんな作品に限って、あとになって「あのとき投げなくてよかった~」ということになるもので、これもきっとそうなるものと信じて読み続けました。

文体にも馴染み始めてみると、実に文章のうまい人だなあと感心。そして馬鹿息子が野に放たれた辺りから加速度的に読み進み、後半3分の1は「すげ~、すげ~」と感嘆の叫びを(電車の中なのでもちろん心の中で)上げながら、眠い目をひんむいてぎらぎらさせながら読んでしまいました。

で、トータルとしてとっても疲れる読書となりましたとさ。

それにしても、帝政ロシア崩壊、内戦期のウクライナの片田舎のならず者の生きざまを、日本人の、しかも女性の作家が、こんなにも見てきたように、というか、自ら生きてきたようにリアルに書けるというのは、一体どういうことなのでしょう。

ここに描かれているような、ヨーロッパ中世さながらの殺戮と収奪が20世紀初頭のロシア革命の過程に当たり前のように存在したということはおそらく事実なのでしょうね。そんな事実を下敷きにして見ると、社会主義だの共産主義だのという理念が人民にどれだけリアリティを持ち得たのか、甚だ疑問を感じます。マルクスの描いた共産主義国家は、成熟した都市プロレタリアートのものであり、字が読めることがむしろうっとうしいがられるような、ロシアや中国の当時の歴史段階では無理があったんだろうなあと思いました。

永年かけて築いて来た人生が馬鹿なならず者の蛮行によってあっという間に破壊され、破壊する側も決して安泰ではない世界。人間は何のために生きているのかと言いたくなってしまいます。

それにしても・・・改めてこんなマッチョな戦場をこれほど力強く描ける女性っていったい何者なんでしょう。彼女自身がミノタウロスかも・・・。

これは他の作品も読んでみなければ。ただし、もう少し体調のいいときでないと・・・。

| うちめし | 08:53 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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