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ただ読みダイアリー(62)

秋元康 「象の背中」読了。

実はこの本、Minamiに借りて読んだのです。Minamiが私に本を紹介してくれたのは、もちろんこれが初めてのことでした。そんな関係になれるまで成長してくれたんだなと思うだけで、胸に暖かく塩辛い思いが押し寄せてきました。

記念すべき一作なので、気合いを入れてレビューします。


象の背中文庫版


ある日、Minamiがこの本の文庫版を私に差し出して言いました。

「読む?」

「買ったん?」

「うん。」

表紙は芸能界にうとい私でもさすがに知っている男優と女優のツーショット。映画化若しくはドラマ化されるか、されたんだろうと、容易に想像がつきました。

作者は、これまた私たちが若かりし頃から有名なマスメディアの仕掛人。同世代で彼を知らない人はいないと言っても過言ではないでしょう。しかしマスコミ音痴の私は彼の現状など知るはずもなく、小説を書いていること、そしてこの作品のことも全く知りませんでした。

タイトルからも内容は想像できません。裏表紙の解説におおよそのことは書いてありました。

「泣く?」

「うーん・・・ たぶん・・・。」

「まあ読んでみるよ。」

で、読み始めました。

話は、主人公のサラリーマンが、年明け早々受けた癌検診で、肺癌余命半年を告知されるところから始まります。

年齢は48才。ストライク!同い年じゃないですか!

家族は、妻と大学生の長男、高校生の長女。うまくいけば我が家も今年にはそうなるかも・・・という構成。しかも物語の始まりの季節がちょうど今どきと、不思議に何かと今の私に符合するところが多い設定です。

よって、読み始めてすぐ、同じ物語が明日にでも我が身に起こるかもしれないと思いながら読まされることになり、主人公の行動から目が離せなくなりました。

主人公は延命治療を拒否し、残された半年を、過去の自分に答えを探す旅に当てようと決意します。初恋の相手を探したり、昔わだかまった友人を訪ねたり、かつていさかい、別れた親族と復縁し…。そして最後にはホスピスで家族に見守れながら死を迎えるという物語です。

読後、あちこちの書評を見ると、作品自体には賛否両論あるようです。確かに余命半年とはいえ、あまりに主人公に都合のいい話の運びに、違和感を感じることは確かです。そこに作者のあざとさが見え隠れすることも事実です。しかし、そんなことは瑣末なことではないでしょうか。いずれ必ずやってくる、ある日突然やってくるかもしれない、人生の最期とどう向き合うか、そのありようの、ひとつの問題提起として受け止めれば十分ではないでしょうか。この作品の力としては、それで尽くされていると私は思います。この作者のポジションからすれば、それ以上の解答まで求め得ないのではないでしょうか。

問題は、自分がこれと同じ状況に置かれたら、どうするだろうか、ということです。そのこと考えざるを得ません。

私なら、過去を訪ね歩くことはしないでしょう。しかし未来に向かって意欲するということも、さすがにできないでしょう。今を切り取ってその中に引きこもることしかできないでしょうね。残された今を、少しでも心安らかに過ごせるようにするだろうと思います。そのとき、そはにいて欲しいのは、やはり家族です。家人とRyoとMinamiとMintとMilkとCherieとRuby、この人たち、この子たちとひとときも離れず、ずっと一緒にいられたらそれでいい、私がいなくなるその瞬間まで、ずっと今のままでいられたらと、それだけを望むだろうと思います。そして私がいなくなったあとも、残された者がそれまでと同じように暮らしていてくれれば、それ以上に望むことはありません。

私は、私を特別に愛してくれた祖母を、大学浪人生のときに肺癌で失いました。そしてRyoが3才のときに、実父を膵臓癌で失いました。また、同じ年に義父を同じ膵臓癌で失いました。

癌とこれだけ付き合いが深ければ、私自身も無縁ではいられないのだろうなと思っています。そろそろそのときのことを考え、そのときに向けて準備を始めなければならないのかなと思いました。

| ただ読みダイアリー | 09:55 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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