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ただ読みダイアリー(93)

久々の「ただ読み」です。


佐藤正午 「アンダーリポート」、読了。

アンダーリポート

このところ、インド料理に関わる本ばかり読んでいたので、久しぶりの小説です。

それにしても、電車の中でおやぢが料理本を開いている姿って、なかなか不気味なものがありまして・・・、以前は私も抵抗があったのですが、最近はそれも平気になってしまいました。さすがに満員の通勤電車の中、周りが日経新聞を開き、不景気面を競い合っているところで・・・というのは無理ですが、、おかげでさまで電車には水商売っぽい時間帯に乗ってるもので、「『プロの料理人』とでも見てもらえるかな~」などと思いながら、開き直ってレシピを携帯にメモったりしている私です。

それはそうと、何故突然「さとしょう」なのかというと、こちらのサイトでの山本文緒氏のインタビューを読んだのがきっかけ。

早速、未読である「彼女について知ることのすべて」と、この本の予約を入れた次第。

本命はひとまず置いといて、こちらから読みました。

ミステリ風(この「風」ってとこがびみょ~)な作品なので、ネタバレしないように最低限のことだけ書いておきます。

まずは、くれぐれも第一章、第二章を読んで苛立たないよう。確かにこういう作りは、私、潔くなくて好きでなく、読んでいて正直、苛立ったので、こんなふうに書いているんです。アドバイスとして読んで下さい。「わからないこと」は「わからない」として、気にせずに先を読み進みましょう。とにかく、目の前にある文章に集中して、しっかり味わいながら、余計なことを考えずに、物語の流れに身を委ねて下さい。それがこの作品の読み方です。そうすれば、文章の魔術師「さとしょう」による、至福の時が過ごせることは保障します。

そうして、その行き着く先は最終章・・・。しかし、それでは終わらないのです。続きがあるのです。さて、どこへ行き着くのやら・・・。

「わからないこと」というのは、あるのです。「わからない」ことが真実であるということもあるのです。というか、「わかる」真実、実体的真実が常に存在するということのほうが虚構であるというべきなのです。

主人公が検察事務官であるというところが如何にも・・・ですし、千野美由紀が、おそらく事件を機に、検察事務官から検察官に転進するというのも如何にも・・・です。犯罪統計の「暗数」の話などからも、「訴訟的真実と実体的真実の鬩ぎ合い」というテーマが、あちこちで意識されていることが伝わってきます。

「真実の相対性」などわからない、小説を「完全なフィクション」として読めない、現実主義者(ミステリ愛好家にはこの傾向が強い)には向かない作品ですね。ネット上の否定的な書評は大抵、その筋のものです。困ったものです。気にせずにいきましょう。

これはミステリではありません。くれぐれも。

「小説の神様」・・・とまでは言いませんけど、「小説のバーチュオーゾ」の手による、傑作「ミステリ風」小説です。

その点、ご理解頂ける方には、激しくお薦め。とにかく読みましょ。

でも、私にとっての「小説の神様」は、やっぱり萬月先生ですきに!

| ただ読みダイアリー | 23:24 | comments(0) | trackbacks(0) | TOP↑

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