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音楽の理想形(3)

今回はこれ。


ジミヘンドリックスの生涯


言うまでもなく、私の最愛のアイドルの1人、Jimi Hendrix

私がロック少年だった頃、そのJimiのライブ演奏がまとめて聴ける国内盤として出ていたのがこれでした。このレコードは何度聴いたかわかりません。このレコードに収録されている演奏は、ハウリングノイズのひとつに至るまで記憶しているといっても過言ではありません。

DVDも、ビデオすらもなかった当時、ロックミュージシャンの動く姿を見ることができる機会なんて、ほとんどありませんでした。

ある日、夜中の1時過ぎに放送される「Soul Train」という番組で、David Bowieが映るというので、夜更かしをして見たのを覚えています。Mick Ronsonのギターをバックに、掌の模様のついた服を着たBowieが「The Jean Genie」を歌うのを見て大感激したものです。

そんな頃、NHKテレビの「Young Music Show」という、不定期に放送される特別番組で、「モンタレー・ポップ・フェスティバル」のドキュメントフィルムが放送されることになりました。

それはロック史上に残る歴史的コンサートで、トリを飾るJimiの驚くべきperformanceでも有名でした。そのJimiの伝説のperformance、「Wild Thing」の音はこのレコードにも収録されており、私はすでに何度も耳にしていました。しかし、映像を見るのはそれが初めてでした。およその出来事は話には聞いていましたが、目の当たりにしたときの衝撃は筆舌に尽くしがたいものがありました。それは、私が今までに音楽から受けた衝撃の中でも最上級の経験でした。

Keith Moonがドラムセットをけり倒すThe Whoの破壊的ステージアクトのあとに登場するJimiは、演奏途中、祈るような姿勢でギターに火をつけ、ステージやアンプにたたきつけます。ギターは破壊され、最後にはネックだけになってしまいます。それでも最後まで悲鳴を上げるようになり続けるフィードバックノイズ。そのギターの断末魔の叫びは、間違いなく音楽としての美しさを纏っていました。

すでにこのレコードで聴き、細部に至るまで記憶していたその音と、映像とが結びついたときの感動は、今でも忘れられません。

見終わった後、私は、同じくロック少年だった兄とふたりで、「こんなんやってんな・・・。こんなんやってんな・・・。」と繰り返しつぶやいていました。

その後、その兄がこんなふうに言いました。

「あのとき、モンタレーにいた人のどれだけがあの演奏についていったんやろな。僕は実は、ほとんどの人はひいたんやないかと思ってんねん。ついていったんはごく一部やろと思うよ。僕もあそこにいたらついていけなかったと思うなあ。ついていかなあかんとは思ったやろけど。みんなついていかなあかんとは思ったんやろけど、ついていく勇気はなかったんやないかなあ…。それだけ恐ろしい演奏やで、あれは。」

私たちはまず音でその演奏に接し、ずいぶん時間をあけてようやくという感じで映像に接したのでした。それは極めて間接的な体験に過ぎません。それなのにあれだけの衝撃力を持っているのですから、ライブで目の当たりにした人たちには、余りに衝撃が強すぎ、かえってついていけなかったのではないかという兄の解釈に、とても納得させられたものでした。

ところがそんな「モンタレーのJimi」の映像も、ビデオが普及する時代になって、ソフトとして流通するようになり、容易に手に入り、目にすることができるようになりました。私も当然その段階で入手し、久しぶりに観ましたが、ありがたさは半減したように感じました。初めてTVで観たときは「こんなんやったんや・・・」という言葉しか出ませんでしたが、ビデオを入手したときは「そういえばこんなんやったんやね」くらいのものでした。それは既に一度、観たことがあるからというだけではない、音楽が手近なものになったことからくる喪失感、だったように思うのです。それがさらにインターネットの時代になり、ネットに繋がったPCさえあれば、いつでもどこででも、しかもタダで観ることができるようになりました。

最近そんなふうに、音楽がますます身近になると同時に、ますます手軽に、間接的になり、どんどんありがたみを喪失していっているように感じます。例えば息子のRyoは、かつての私のように音楽を聴くことはないのだろうと思います。それは趣味嗜好の問題ではなく、環境の問題です。街行く人のほとんどが携帯プレイヤーで音楽を聴き、恥知らずのストリートシンガーがへったくそな歌を傲慢にも撒き散らしている今の状況は、音楽自体にとって決して好ましいものではないと私は思っています。

例えばこのブログ上でも、モンタレーのJimiの「Wild Thing」の動画を貼り付けて皆さんに観ていただくこともできるのですが、今回はあえてそれはしません。それでは余りにもありがたみがなくなってしまいますからね。

| 音楽の理想形 | 00:52 | comments(0) | trackbacks(1) | TOP↑

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[エンタメ]ロック原体験

うまいこと書くなぁ,そうそう。なんであんなに集中して何度も同じレコード聴けたんだろうか。フィードバックの音程からギター叩きつける“ゴヒーッ”て音の長さタイミング全部覚えるほど聴いた。始めてみた生きて動いてるジミはブートレグのVHSだった8千円くらいで買ったよ

| washiBLOG | 2008/10/22 00:39 |

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